脂の乗った「寒サバ」の季節がやってきました。
しめ鯖はシンプルな料理ですが、下処理・塩加減・酢締め・安全対策、このどれか一つでも外すと、一気に「残念なしめ鯖」になってしまいます。
今回は、現役で厨房に立つ調理長の私が、
家庭でも再現できる 「本当に美味しくて、安全なしめ鯖」 の作り方を、動画+文章で徹底解説します。
動画では手元の動き、
ブログでは特に重要な 「プロの判断ポイント」 を深掘りしてお伝えします。
【動画で解説】絶対に失敗しない しめ鯖の作り方
① 良いサバの目利き(選び方)
美味しいしめ鯖は、魚選びで8割決まる と言っても過言ではありません。
チェックするポイントはこの3つ。
- 目が澄んでいる(白く濁っていない)
- 身に張りと弾力がある
- 胴体がふっくら丸い(痩せていない)
特に寒サバは脂が強い分、鮮度が落ちると臭みが出やすい ので、妥協せず選びましょう。
② 下処理:大名おろしを「格段に綺麗に」するコツ
頭と内臓を外して水洗いしたら、大名おろしに入ります。
プロの秘伝ポイント
背びれと腹びれに沿って、あらかじめ切れ目を入れる。
これだけで、
- 中骨から身が驚くほど離れやすくなる
- 断面が崩れず、美しく仕上がる
さらに初心者の方には、
本来とは逆の 「尾から頭に向かって刃を進める」 方法がおすすめです。
中骨に刃が当てやすく、失敗しにくくなります。
③ 骨抜きの極意:サバの小骨は甘く見ない
しめ鯖で一番手間がかかり、
一番「プロと素人の差」が出る工程 が骨抜きです。
骨の向きを知る
- 頭側:骨はほぼ真横
- 尾側:徐々に縦方向へ変化
👉 指で触って向きを確認しながら、骨の向きに逆らわず抜くのがコツ。
骨抜きが難しい場合
サバの小骨は太く硬いため、
無理に抜かず 中央の骨部分を包丁で切り落とす のも正解です。
背と腹に分けることで、食感も安全性も上がります。
④ 味を決める「塩と酢の50・50ルール」
塩締め:50分
- 身が見えなくなるくらい、しっかり多めの塩
- 冷蔵庫で50分
👉 水分と臭みを抜き、旨味を凝縮させます。
洗い
流水で塩を完全に洗い流します。
酢締め:50分
- 穀物酢
- 味の素をひと振り(プロの裏技)
👉 昆布を使わなくても、
グルタミン酸の旨味が加わり、短時間で店の味になります。
⑤ 皮剥ぎと【最重要】アニサキス対策
皮剥ぎ
頭側を少し浮かせ、
身を押さえながらゆっくり皮を引く のが成功のコツ。
⚠️ 絶対に守る:アニサキス対策
アニサキスは
❌ 酢
❌ 塩
では死にません。
唯一の対策は「冷凍」
- 芯温 −20℃で24時間以上
- 家庭用冷凍庫では 48時間以上が安全目安
👉 芯まで冷える時間を考慮するのがプロの判断です。
⑥ プロの裏技:刺身を台無しにしない「時短解凍」
冷凍したしめ鯖を
「できるだけ早く、しかも美味しい状態で食べたい」
そんな時に、私が実際にやっている裏技があります。
✔ 方法はこれだけ
密閉袋に入れたまま、ぬるま湯に浸ける。
ポイントはただ一つ。
絶対にサバの身を直接、水に触れさせないこと。
刺身は、表面に水分が付くだけで
・旨味が流れ
・香りが落ち
・一気に味がぼやけます。
必ず、
- ジップ袋などの密閉袋に入れる
- 袋の口をしっかり閉じる
- ぬるま湯(人肌程度)で一気に温度を戻す
これだけで、
ドリップを最小限に抑えた、プロ仕様の解凍が可能です。
⑦ 仕上げ:醤油を乗せる「飾り包丁」
脂の乗った寒サバは、
そのまま刺身にすると 醤油を弾きやすい という弱点があります。
そこで行うのが、
表面に浅く入れる「飾り包丁」
身の表面に、
5本ほどの浅い筋を入れておきましょう。
さらに、刺身用に切り分ける際も、
ひと切れにつき1〜2本の切れ目を入れるのがポイント。
これだけで
- 醤油がしっかり絡む
- 口当たりが驚くほど良くなる
- 見た目も一気にプロ仕様
になります。
💡 調理長ムラからの一言
動画では、
- 包丁の角度
- 骨を抜く方向
- 皮を剥ぐ力加減
すべて手元で見られるようにしています。
仕上げに
- バーナーで炙って「炙りしめ鯖」
- 酢味噌
- 黄身酢
なども、和食ならではの楽しみ方。
ぜひ、ご家庭でも試してみてください。


