【動画】イトヒキアジの捌き方はこちら
# イトヒキアジの捌き方|和食調理師が教える時短テクと銀皮造り刺身
今回は珍しい「イトヒキアジ」を刺身に仕上げていきます。
身が甘く、銀皮造りとの相性抜群の白身魚です。
今回は 背側から一気におろす“時短テクニック” を使いながら、刺身までしっかり仕上げていきます。
## 1. 下処理|まずは背びれ・腹びれの“糸”を切る
イトヒキアジは背びれと腹びれに長い“糸”が付いているため、まずはこれを包丁でカットします。
見た目は派手ですが、下処理の工程は簡単です。
## 2. 頭を落とす|腹側は切らずに残すのがポイント
次に頭を落とします。
● 手順
- 頭の付け根に包丁を入れ、中骨ごと下へ切り落とす
- このとき腹側は切らずに残す
腹側を残すことで、
頭を下へ引いたときに内臓が丸ごと綺麗に取れる というメリットがあります。
これは和食の現場でよく使う効率の良いワタ抜き方法です。
## 3. 背びれの皮を切り、背側から包丁を入れる
背びれの根元の皮を切り、骨に沿わせるように包丁を入れていきます。
動画では、後で水洗いするため、血合い部分はあえてこの段階では掃除していません。
## 4. 背中側から一気に三枚おろしへ(時短テク)
通常の三枚おろしは
- 背側
- 腹側
の両方から包丁を入れますが、
今回は 背側から一気におろして時間短縮。
個体が小さければ、腹骨の引っかかる部分も出刃包丁でそのまま切ることができます。
裏側の身も同じ手順で下ろします。
## 5. 腹骨を取る(逆さ包丁を使わずにOK)
三枚に下ろしたら腹骨を取ります。
イトヒキアジのサイズであれば、
逆さ包丁を使わなくてもそのまま包丁が入り、きれいに切り離すことができます。
腹の凹み部分が少し取りにくい場合は、
無理に削らず、見える部分だけ軽くすき取る と綺麗に仕上がります。
## 6. 血合い骨とゼイゴを“包丁でまとめて”切り落とす(骨抜きは使わない)
イトヒキアジの身の中央には血合い骨が通っています。
一般的には骨抜きで1本ずつ抜きますが、今回は 骨抜きは使いません。
● 方法
- 包丁で血合い骨ごと一気に切り落とす
- アジ特有の ゼイゴ(ギザギザした硬い部分)も同時に切り落とす
血合い骨とゼイゴをまとめて落とすことで、
処理が早く仕上がり、食べやすい刺身になります。
## 7. 銀皮造りに仕上げる|皮は引かずそのまま細造りへ
イトヒキアジは皮が薄い魚なので、皮を引かずに 銀皮造り が最適。
タチウオのように、
- 炙る
- 湯霜する
といった処理もありますが、今回は何もせず銀皮の光沢をそのまま生かします。
細造りに切り分けると非常に美しい刺身になります。
## 8. 盛り付けと味わい
盛り付ければ完成です。
イトヒキアジはアジの仲間なので、
- 生姜
- わさび
- 万能ねぎ
- みょうが
などの薬味との相性が抜群です。
旨味の強い白身で、さっぱりとした後味が楽しめます。
## まとめ
今回は、イトヒキアジを背側から一気におろす時短テクを使いながら、銀皮造りの刺身まで仕上げました。
銀皮の美しさと甘い身質は、ぜひ一度味わってほしい一品です。
動画はこちら👇
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